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業者引越し・初回編

初めての引越しを迎える前はドラマで見るように、若奥さんはエプロンに三角巾姿で張り切るものとばかり思っていました。

が、期待に反して特にやることもなく、うろちょろしたら邪魔なので部屋の隅の方で作業中の兄ちゃんらが荷物を運び出すのをぼ~っと眺めていました。

メンバーは、リーダー1名と、中堅といった感じの2名の計3名で、まずは挨拶からスタート。

皆さんかなりの力持ちで、重いものも、ひょひょいと持ち上げて運び始めました。

張り切ったダンナが、家具をどかした後の床をモップでササッと拭いたり、雑巾を渡したりする担当になってくれたおかげで、ハタから見たらよほど嫁さんの尻に敷かれている男に見えたであろう光景でした。

私も居心地が悪くヒマになり、ダンナに現場を任せアパートの他の棟の友達の部屋におしゃべりに行っていたくらいです。

外からダンナに「お~い」と声をかけられた時には、室内がもぬけの殻になっていて、「え?も~終わったん?」と驚きと感動でした。

「運び忘れがないか、点検してください。」と言われ、押入れの中、洗面やキッチンの戸棚の中、ウォークインクローゼットの中などを確認して前半が終了しました。

私は、てっきりトラックに客の一人が相乗りして新居まで道案内でもするのかと思って緊張していたのですが、そこは業者も抜かりはなく、地図で新居への道を説明し、どの道が広くてどこにトラックを停めたら良いかを伝え、我が家の車の後に続いて出発しました。

トラックに乗り込む前に彼らがあまりの汗だくなのに気づき、残り後半も頑張ってもらわねばとアパート前の自販機でペットボトルのお茶を購入し手渡しました。

別々に移動していたため、道中バックミラーで後ろのトラックの社内を覗いて見たところ、やっぱり差し入れたお茶を飲んでくれていました。

ダンナの実家に着くと、まず家の中を見回り家具を運び入れるためのルートを作りました。

玄関から階段、階段上がってから部屋、といった直角コースは、彼らの経験と知識により、ドアをはずしたり、物をどかしたりしてルートを確保していました。

階段の壁や家具が通る道は、専用のマットを壁に張り付けてしっかりとガードをしてから運びこみました。

10分間サービスでベッドの組み立て、電球の取り付けをしてもらっていると、ちゃっかり姑が側に来て、「このタンス閉まり悪いねんけど、ちょっと見て~な。」と、引越し荷物と関係ない自分の家具までネジの調節を頼み締めてもらっていました。

新居はダンナの実家だったので義妹と姑の見ている手前、アパートでの態度とは正反対に、私はよく働くお嫁さんに見えたことは言うまでもありません。

搬入作業は昼少し過ぎに終わり、姑が「これ昼食代にでもしてや~。」とお礼の心づけ(3千円ずつ計9千円)を包んだものと、冷たい缶コーヒーを2本ずつの計6本を手渡し気持ちよく終了しました。

こうして、私の初めての業者引越しにより、短い同居生活のスタートを切ることになりました。


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